2025年振り返り ~ジルコニア編~

年が明けて約1か月ほど経ちましたね。

ここで昨年の自費診療の納品補綴物(ほてつぶつ)の一部を振り返ってみようと思います。

たまには、歯科技工所らしく制作物をアップしていきますね(^^)

 

こちらはどこを制作したかわかりますか?

正解はこちら!!

右上1番です。

ジルコニアクラウンで、ステインを施しています。(松風ディスクZRルーセントスープラA1 使用)

本症例は、前歯部1歯欠損様状態に対してジルコニアクラウンで補綴を行ったケースです。
審美領域である前歯部のため、強度だけでなく色調・形態・歯肉との調和を重視して製作しました。


治療前の口腔内所見

治療前写真では、前歯1歯が大きく形成され、歯質の残存量が限られている状態でした。
このようなケースでは、

  • 破折リスクへの配慮

  • マージン部の適合精度

  • 隣在歯との色調差

が技工操作における重要なポイントとなります。

特に前歯部では、単に白いだけの補綴物では不自然になりやすいため、素材選択が治療結果を大きく左右します。


材料選択:ジルコニアの採用理由

本症例では、ジルコニアクラウンを選択しました。

技工士の立場から見たジルコニアの利点は、

  • 高い曲げ強度による長期安定性

  • フルカントゥア設計が可能でチッピングリスクが低い

  • メタルフリーで歯肉の色調変化を起こしにくい

といった点が挙げられます。

前歯部ではe.maxなどのガラス系セラミックも選択肢になりますが、歯質量が少ないケースでは、強度面でジルコニアが有利と判断しました。


形態・色調設計のポイント

周囲歯との調和を図るため、

  • 中切歯・側切歯との歯冠幅・長さのバランス

  • 隣在歯の表面性状に合わせた微細なテクスチャー

  • 単調な白さにならないよう、内部ステインとグラデーション

を意識して設計・仕上げを行っています。

特に前歯部では、唇側中央のボリュームと切縁の透過性が、自然感を左右する重要な要素になります。


装着後の評価

装着後写真では、

  • 隣在歯との色調差が目立たない

  • 歯肉ラインとの移行が自然

  • 全体の歯列バランスが整っている

ことが確認できます。

技工士としては、「どの歯が補綴物かわからない状態」が一つの完成形と考えており、本症例ではその点を達成できたと感じています。


技工士としてのまとめ

ジルコニアは「硬い材料」というイメージが先行しがちですが、
設計・色調調整・表面性状に十分配慮することで、前歯部においても高い審美性を実現できる素材です。

歯科医師との情報共有、形成形態の理解、そして最終補綴をイメージした設計が、症例の質を大きく左右します。

患者様のご要望を聞きながら、納得のいく歯科技工物を提供しています。

これからも患者様に寄り添える歯科技工士を目指していきます。

2026年も青森県黒石市の歯科技工所、株式会社 dental visionをどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

最後に今回、写真提供にご協力いただいたのは、

青森県弘前市にある歯科クリニックで、

デンタルオフィス よしだ 様 です。

ご協力ありがとうございました。